かっそうし

現実

ありえなくてもリアル

馬鹿げててもリアル

信じられなくてもリアル

小説より奇でもリアル

 

できなくてもリアル

叶わなくてもリアル

届かなくてもリアル

嘆いていてもリアル

 

生きているのもリアル

死んじゃうのもリアル

忘れられないのもリアル

忘れていっちゃうのもリアル

 

これもマテリアル

それも余りある

あれもメモリアル

どれもアンリアル

 

覚えてなくてもリアル

誰も知らなくてもリアル

周知でもアンリアル

それさえもリアル

 

騙られることもリアル

騙されることもリアル

悲しくなるのもリアル

立ち直れるのもリアル

 

信じられるのもリアル

疑えるのもリアル

逃げたくなるのもリアル

立ち向かわなきゃなのもリアル

 

バーチュアルもリアル

どんな奇怪も

リアルな思考が

織りなすバーチュアル

だから

リアリティを増していく

そんな機械

空隙

隙だらけだった

負けた

壊れた

考えた

考え直した

考えることしかできなかった

手が動かなかった

頭が働かなかった

どうすればいいか分からなかった

蹲った

痛かった

誤魔化した

魔が差した

いっそ死んでも一人分の隙間ができるだけだと思った

疑った

存在価値を疑った

できることなんてないと思った

そうだと思っていた方が楽になった

けれど

それはずっと響いていた

空っぽになるほどうるさく内に響いていた

何ができるかと考えた

答えは変わらなかった

それでも少し決心ができた

くだらない人生の中にできた

ちっぽけなプライドと諦めでできた空隙を

埋めるために

ただひたすらに考えていた

迎合

暗がりから

目を閉ざす

心を潰す

グレーゾーン

白黒つけましょう

こっちは善で

こっちは悪で

正義の味方の側に立ってたいでしょう?
責められたくはないでしょう?
罪と向き合うくらいなら
自由なんていらないでしょう?

公正を唱えましょう!
たとえ息づらくなっても
間違えたくないのならば

異常を直しましょう!
たとえ生きづらくなっても
気狂いたくないのならば

公平でありたい
誰も傷つけないように
自分が傷を負うように
誰かの盾になったという
その証が欲しい

誰かを守ったという実績でもって
自分を社会から守りたい
自分が助かりたいから
正しい人を演じていたい
自由でなくたっていいから

グレーゾーン

いらない

善と悪の2つだけでいい

正義であれば助かるんだって
苦しまずに済むんだって
信じさせてほしい
自分は正しいことをしているんだって
免罪符をください
悪を叩くことに疑いも躊躇いもない
権威的なほどに正義を振るう

それは悪で

これが善だ

白と黒だけの世界

心を閉ざす

目が潰れる

明るすぎて

全身

引っ掻いたら剥がれたそれも

さっきまで自分だったもののひとかけら

自分の体のことなら自分が一番知っていると言うくせ

思い通りにならない体に今日も辟易している

自分と世界の境界線

どこからどこまでがぼくだ

この体の無数の細胞1つ1つがぼくとは違うものだとしたら

ぼくはどこにもいないのかもしれない

ぼくの全身は

全くの虚無なのか

この世の全てなのか

その存在と空間の狭間で

小さく現実に押し込まれている

惨めな肉塊が

本当にぼくなのだろうか

思い通りに動きやしない全身に

今日も心が引きずられている

注釈

それは補足されたもの

それは後付けされたもの

それは削られたもの

それは余計なもの

それは誤解させないためのもの

それは誤解をさせてしまうもの

それは第三者によるもの

それは専門家によるもの

それはド素人によるもの

それは物語にならなかったところ

それは語られなかったところ

それは君が気にしないもの

それは僕が捨てたもの

僕が住むところ

狭くて

暗くて

歪んで

拙く

正しく

本質的で

本格的な

奥を

ささやかに

ひけらかす場所

ヒロイン

性格が悪い

見た目が悪い

趣味が悪い

個性がない

力がない

夢がない

努力をしない

挑戦をしない

冒険をしない

友達がいない

知人がいない

君がいない

常識を知らない

理屈を知らない

感情を知らない

自分を疑う

世界を疑う

誰もを疑う

異常

異形

男の子

 

それでも

ヒロインに

なりたい

本日

焼きたいものがたくさんあった
焼けないものもたくさんあった

心の中の不燃物と可燃物

満たしてくれやしない食物と
なんだかわからない俗物の
ハーモニー、歯を捥ぎ

変わんないような毎日の中
変わらず続く毎日の中
本日にどれだけの価値があるのか
今を大切にする意味はあるのか?

儚い、歯がない、吐けない

もう何も食べられなくて

本日の朝食はなんでした?

本日の昼食はなんでした?

本日の夕食はなんでした?

本日の夜食はなんでした?

いちいち覚えてらんない

はじめから覚えようという気すらない

今日をやり過ごす為にこの体にやる餌に過ぎない
まるで興味ない
今日に意味などない

そう言って不貞寝して明日が来るのを待つだけ
何もない明日が来るのを待つだけ

身を焦がす朝焼けを待つだけ