かっそうし

全身

引っ掻いたら剥がれたそれも

さっきまで自分だったもののひとかけら

自分の体のことなら自分が一番知っていると言うくせ

思い通りにならない体に今日も辟易している

自分と世界の境界線

どこからどこまでがぼくだ

この体の無数の細胞1つ1つがぼくとは違うものだとしたら

ぼくはどこにもいないのかもしれない

ぼくの全身は

全くの虚無なのか

この世の全てなのか

その存在と空間の狭間で

小さく現実に押し込まれている

惨めな肉塊が

本当にぼくなのだろうか

思い通りに動きやしない全身に

今日も心が引きずられている